噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
そんなのが続いた、ある日。
決定打になる事が起きた。
「ちょっと、雪稀急いで。次の講義に間に合わないよっ。」
「ちょ、待ってー。」
慌てて荷物を纏めて、廊下を走る。
次の講義教室は、3階だ。けど、ここは1階。
しかも、エレベータが付いている学舎じゃないから
走って上がらなくちゃいけない。
遅刻ギリギリのところで、なんとか間に合った私達。
一息ついて、机に教材を出していると・・・
「ない、ない・・・あっ?!鞄に入れ忘れた。」
「何?忘れもの?」
「うん。前の教室にケータイ忘れたみたい。」
「ヤバいじゃん。」
「私、取りに行ってくる。代返ヨロシクね。」
急いで教室を出て、階段に辿り着いた時
今まで聞いた事のない声で、呼びとめられた。
「白井さん?」
「はい?」
「あなた、邪魔なのよ。」