噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
5.真実は私の中
私をお姫様抱っこしたまま、中庭を過ぎ
校門近くに来た時、それまで無言だった陸玖さんが口を開いた。
「海翔と空良は、先に帰ってくれ。」
「え?陸玖にぃ達は?」
「俺達は、ちょっと寄ってくところがあるから。」
「迎えは?」
「要らない。もう呼んであるから。」
そう言いながら門を出ると
待ち構えた様に、黒のベンツが正門前に横付けされていた。
「どこに行くんですか?」
「内緒。行ってからのお楽しみだよ。」
私を助手席のシートにゆっくり降ろし
自分は運転席に乗り込む。
「あの、陸玖さんが運転するんですか?」
「そうだけど、俺じゃ不満?」
「いや、そうじゃなくて・・・」
まるで、本当の恋人みたいでドキドキしちゃう。
なんて言ったら、笑われちゃうかな。