噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
顔を赤くして俯いていると
隣からクスッと笑う声がして、大きな温かな手が頭の上に
乗せられた。
思わず、顔を上げると
そこには、極上の笑顔があって――――――――
「本当に、あなたは可愛い人だ。」
頭から湯気が出そうになるくらい、更に真っ赤になってしまった。
私は、気持ちを少し落ち着かせようと
さっき生徒会室で言っていた事について聞く事にした。
「あ、あの、陸玖さん。どうして、あんな嘘を吐いたんですか?」
「嘘?」
「私が、婚約者だって・・・・」
そう。私は婚約者なんてものじゃない。
ただの居候。期間限定の同居人だ。
「それは・・・これから行く場所で話をしましょう。」
クイッと眼鏡の真ん中を指で持ち上げ
意味深な笑みを浮かべて、車を発進させた。