神名くん
ファイルⅠ
「神名くんは、何をしているのですか。」
高校2年生という中弛みの時期に私めは突入しました。相変わらず幼い頃から変わらない神名くん通いは既に習慣となっています。
今は、神名くんが何やら棚整理をしていたので尋ねてみただけです。まあ、私も手伝いますが。
「本当。にのは、可愛いげがないよね。見た目もスタイルもいいのに。その言葉遣いがねぇ。」
「面白い事を言いますね、神名くん。この言葉遣いは所謂貴方のおかげと言っても過言ではないのですよ。」
「いやいやいや。僕はただ本を読んでは如何?と尋ねただけなんだけど。」
「ですが、その本のおかげで今の私めがいるのです。それは、あながち貴方が"本"…いいえ、"こころ"を勧めることをしなければ、今頃は"通常"の女子高生としてこちらにいるのではないでしょうか。」
「まあ。………にののその言葉遣いは同級生にも使用してるんだって。慎一が泣いていたよ。見た目も頭も中身もいいのに変人だ…って。」
「失礼ですね。私は貴方程変人ではないと自負していますけど。」
すかさず言い返す様になったのは、成長したからでしょうか。身長もなかなか伸びました。彼の顔を見る為に首を90゚傾けないとみれなかった高さの顔が今では少し見上げれば眺めることの出来る高さに。
肩より長かった髪の毛は背中までに伸びていました。気付いたら月日というものはあっという間に私を通り抜けこのように彼と私を近付けさせてくれたのです。ですが、彼と長くいればいる程どんどんと解らなくなるのです。
そう、考えてしまうと、正直に知らなければよかったと後悔の気も起きてしまい、彼を見るのが時々辛い。