神名くん



気持ち悪くないのかと言われたらそれは、きっぱりと言えるでしょう。私は神名くん本人を好いているのだと。だから、彼の隣にいてもなんら嫌悪感を抱く気も起きないのです。



確かに、私は彼の仕事姿を見ていないからなのかもしれません。時折、住宅街が寝静まった時に神名くんが家を出る処を見ることは多々あります。ですが、神名くんがどのようにその「神」の仕事をしているのかさえ見ていないのですから、嫌悪する隙もないのです。



そのうえに、私は神名くん自身を尊敬しています。ですから、私は神名くんから離れることが出来ないのかもしれません。









長い廊下をも真っ赤に染まり、そこを私は歩いていました。突き当たりにかかればそこを右に。キッチンにつくと、私はケトルに水を注ぎ込みます。



それを、温め始めます。それと同時に彼の分と私の分のマグカップを食器棚から取り出すと、二つのカップにインスタントコーヒーを注ぎ込みます。



じっとしていると、ケトルから沸騰した合図が鳴りました。沸騰したお湯を二つのカップに注ぎ込むと、私は私のカップには砂糖を大量に入れミルクもまた沢山いれる。



コーヒーも紅茶も今は甘くしないと飲めないのです。それは、幼い舌をしているからなのでしょうか。お恥ずかしい限りですし、唯一の友人の慎一も半分引くくらいなのですからそれは、他人から見たら相当なものなのでしょうね。




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