神名くん
*Side Kamina*
一限の授業終了のチャイムが学校全体に鳴り響かせると同時に仁乃は屋上から駆ける様にでていった。栗色のロングを横にぴょんぴょんと踊らせ、次の時間こそはきちんと出るので僕も出る様に、と念押しして。
まあ、次の時間はきちんと授業が入ってるから出るし。まあ、仁乃のクラスだけど。その前に、話したい相手がいるのだ。始終物陰にいて、気配を消していたからなのか仁乃には気づかれていないだろう、と思ってたけど、僕から見たらモロバレで、あっちはあっちで僕と話しをしたいみたいだから。
「ね。慎一。」
「嗚呼、やっぱり気付いていた。みことくんって本当勘鋭すぎ。にのは、あそこまで鈍感なのにさぁ。」
「その名前で呼ぶの止めてよ。」
「いいじゃん。今、にのはいないんだからさ。まあ、にのがいてもそうだけど、人間がいても厄介だけど。」
「いたらどうする。」
「来ないでしょ。此処、俺らくらいじゃん。立入禁止貼られても来るの。」
呆れることしか出来ない。とりあえず、コイツは仁乃の幼なじみで僕と同じ職業をしている―または、将来する―藤崎慎一である。
小生意気で、いつも僕に突っ掛かるのは正直なところあまり可愛くない。いや、コイツが可愛くあってたまるものか。
小さく、ため息をつき、僕は慎一の元に足を動かした。
一限の授業終了のチャイムが学校全体に鳴り響かせると同時に仁乃は屋上から駆ける様にでていった。栗色のロングを横にぴょんぴょんと踊らせ、次の時間こそはきちんと出るので僕も出る様に、と念押しして。
まあ、次の時間はきちんと授業が入ってるから出るし。まあ、仁乃のクラスだけど。その前に、話したい相手がいるのだ。始終物陰にいて、気配を消していたからなのか仁乃には気づかれていないだろう、と思ってたけど、僕から見たらモロバレで、あっちはあっちで僕と話しをしたいみたいだから。
「ね。慎一。」
「嗚呼、やっぱり気付いていた。みことくんって本当勘鋭すぎ。にのは、あそこまで鈍感なのにさぁ。」
「その名前で呼ぶの止めてよ。」
「いいじゃん。今、にのはいないんだからさ。まあ、にのがいてもそうだけど、人間がいても厄介だけど。」
「いたらどうする。」
「来ないでしょ。此処、俺らくらいじゃん。立入禁止貼られても来るの。」
呆れることしか出来ない。とりあえず、コイツは仁乃の幼なじみで僕と同じ職業をしている―または、将来する―藤崎慎一である。
小生意気で、いつも僕に突っ掛かるのは正直なところあまり可愛くない。いや、コイツが可愛くあってたまるものか。
小さく、ため息をつき、僕は慎一の元に足を動かした。