神名くん
私は散々彼を困らせてしまったのでしょうね。彼は最終手段かのように私を高い位地へと抱き上げたのです。小学3年生はまだ幼いと言ってもかなりの自我が芽生えています。流石の私めも目を丸くし驚いてしまいました。
と、同時に涙も完全に止まってしまい、更には羞恥心が私の心を支配してしまったのです。何度も何度も、降ろしてと手を叩いた。すると、彼はあっさりと私を降ろしました。この歳になってまで高い高いをされるとは全く持って予知しない限りで降ろされた時には顔を真っ赤にしていました。
そんな、私に優しい手は導いたのです。
「可愛いお客さん。僕と一緒にお茶でも如何ですか?美味しいのを御容れしますよ。」
この時には自覚はしていませんでしたが、今なら言えるでしょう。私は確実に面食いです。なんせ、この時の彼の笑顔は、とてもかっこよく輝いていたのです。今となってもそれは、時々思いますがあの時ほどにドキドキはしません。
抗体というのは時とともに恐ろしいなと思ってしまう一瞬です。その上に、一般男性があまりにも不細工に見えてならないのです。いや、全国の男性をけなしてしまっていますがこれは半ば、彼と過ごした時間があまりにも長かった為か目が肥えてしまったのでしょうね。
彼と過ごした時間は大切で貴重でしたが、良い方向に改善されていたのならば更に良かったのかもしれませんね。