神名くん
重い空気と言うのは、なかなか直ることがないというのを、私は、初めて知りました。と言うのは、お葬式に参列した帰り、私と神名くんと慎一はお互いに黙っていたのです。
誰も会話をする気力がないのでしょう。暗い道のりをただ三人で歩いていました。途中、慎一とは別れると神名くんは、私の手をそっと繋いだのてす。その手は何時もより冷たく、妙に心配してしまいくらあいで、ですが何も言えずただ力強く握り返すことで精一杯でした。
じんわりと私めの体温が彼の体温に馴染んでいくのを感じるころには少しだけお互いの感情が落ち着いていた。