神名くん



この時期になると、賑わうのは部活動だけではありません。生徒たちもそわそわとしているようで、周りのざわつきが何時もよりも数倍にましていました。



今でさえ隣同士の人とひそひそと長期休みの話し合いをしているのです。私には無関係な内容に耳を向ける気にもなりません。



ただぼんやりと、人口的につけられた一筋の路を見つめ、今月に出る新作の本はなんだったかだとか、その作者は誰だとか…。そう、ぼんやりと思いにふけることで時間を有意義に過ごした。



休み時間はいつもの如く読みかけの単行本を広げている時でした。ひとりのクラスメイトが私に話しかけてきたのです。



その生徒はクラスメイトなのだからどう言う人かはきちんと理解出来ているつもりですし、人気のある男子であると言うのもわかっていました。だから、彼から私に話しけるということは滅多にあることではなく、それなりに驚いたものでした。



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