【短編】そばにいるよ。
「うっさいなー。これから晩飯も食うんだよ、ゴムがキツくていっぱい食べられなかったらどうすんだ。好きにさせろよ、お互い、裸を見せ合ったところで、なーんもないんだから」
「……食いしん坊すぎる」
するとナオは、パンツ一丁のまま箱からケーキを取り出し、そう反論をしてきて、ケーキを食べた上に晩ご飯もたらふく食べるつもりなのかとげんなりしたあたしは、うぷ……と口元を手で押さえつつ、ツッコミを軽めに留める。
スエットを脱いだのは、ケーキと晩ご飯を食べるための下準備、というわけか……。
まったく。
これでスリムな体型なのだから、詐欺だ。
「で、ナオ的にはどうなの? あたしたちの間では、生クリームとスポンジをもう少しどうにかできたらいいね、って話だったんだけど」
とりあえずナオの胃袋のことは置いておき、さっそくケーキを頬張る露出狂に聞いてみる。
格好は変態そのものだけれど、携帯よりもお菓子を携帯しているだけはあるナオは、味や食感を見極める能力にかなり長けているため、あたしたちが見つけた問題点のほかにも、何か意見を出してくれるかもしれない。
そうして、期待を込め、ケーキを飲み込むのを待っていれば、ナオはさらりとこう言う。