素直に言えよ



「なんでもない。早く行こ」


照れてそっぽを向く唯華。


すげぇ嬉しいんですけど...


他の奴に言われるより何百倍も嬉しい。


俺はにやけながら唯華の後を追った。



『只今から店を開店とする』


そんな校長の放送で店は開店。


教室にはたくさんの人が流れ込んだ。


唯華と内田目当ての男子や、古森と俺目当ての女子など。


これ、結構繁盛するんじゃね?


何て思いながらお客を席へ誘導する。


「ご注文は?」


俺が接客してるのはギャルっぽい女子4人。


「紅茶2つとコーヒー2つくださ~い」


なんだ、そのしゃべり方は。


「あ、持ってくるのも三浦くんでお願いしま~す」


なんの注文だよ。


でも...


「分かりました」



【お客様は大切に】


俺たちのクラスの文化祭での決まり。


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