素直に言えよ



俺はとりあえず近くのソファーに腰掛けた。


そこで先生を待つ。




「翔じゃん。久しぶりだね」


そんな琴音の声が聞こえてきたのは...


ソファーに座って数分たった時だった。


琴音は中学のころ俺が好きだったみたいで...


なんども告白された。


でも全部断ったから、気まずいというか...


「翔なんでしょ?」


そんなことも構わず話しかけてくるもんだから...


「久しぶりだな」


答えずにはいられなかった。


「転校してきたんだってね。イケメンだって有名だよ」


気が付くと琴音は俺の隣に座っていて。


そんなことを言ってニコッと笑った。


中学のころと変わらない作り笑顔。


男子はこの笑顔に騙されてきたんだ。







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