素直に言えよ
「そうなんだ」
正直言って興味ない。
「翔はどこでも人気だね」
...琴音は何が言いたいのだろう。
「私さ...今でも翔の事、好きだよ」
...何度目だろう。
聞きあきた、琴音からの告白。
「ごめん。好きな女、いるから」
中学のころは好きな女なんていなくて...
むり、って言っていただけだったからあきらめてくれなかったのかも。
「ふーん。翔の好きな人ってさ...渡部さん?」
渡部唯華、俺の大好きな奴。
「まあな」
でも言って...後悔した。
「渡部さん、ね」
気付くと琴音は悪魔の笑みに変わっていた。