素直に言えよ
「大丈夫。俺がいるから」
三浦くんはそう言って私を抱きしめ返してくれた。
三浦くんに言われたら本当に大丈夫な気がして来る。
「...うん。グスッ」
三浦くんの優しさに、余計に涙が出る。
「泣くなよ、唯華」
暗くて三浦くんの表情は分からないけど優しく頭を撫でてくれる。
「泣いてないもん。グスッ」
あーあ。
私、なんでこんなに素直じゃないんだろ。
ありがと、とか言えればいいのに。
「はいはい。強がらなくていいから」
強がってないもん。
心の中で三浦くんに反論する。
そんな時、校内放送が流れた。
『──ガッザザッ
えー、さっきの雷でブレーカーが落ちてしまいました。復旧までもうしばらくお待ちください』
もうすぐ、復旧しちゃうんだ。
って!!
しちゃうってなに?
三浦くんに抱きしめられていたかったの!?
...何考えてるんだろ、私。