スクランブル・ジャックin渋谷
身体不自由者たちの踊りを、黙って見守っている。
楽しく踊っている、身体不自由者たち。

逮捕に踏み切れないでいる、優柔不断な隊長。
戸惑っている、隊員たち。

隊長は決断した。法律に従った。遂に、a子の右手首に手錠をかけた。ガチャ。

黒子A「(あきれ返る)あーあー。これで警察は、世間を敵に回したな」

手錠をかけられても、にこやかな笑顔で踊っているa子。

観衆たちは、隊長だけを睨みつけている。足を1歩前に踏み出す。身を乗り出した。今にも、隊長目がけて、駆け出して襲いかかりそうである。

隊長は、観衆たちを見て、顔面蒼白になっている。身震いをしている。冷や汗をかいている。

襲われて殴り者にされたら、どうしようか。隊員たちも、観衆たちの目を気にしだす。
観衆たちが、少しずつ交差点内に入ろうと近づく。威嚇している。

1歩身を引いて、動揺する隊長。
笑顔で踊っている、a子。

交差点内に、3歩足を踏み入れる観衆たち。少しずつ、近づいてくる。

身の危険を感じる隊員たち。
隊長は、どうして良いか、分からない。

黒子A、覆面で目は見えていないが、隊長を睨みつけているようだ。

隊長、観衆の恐怖に負けて、慌ててa子の手錠を鍵で外した。

これでひと安心する、黒子A。
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