スクランブル・ジャックin渋谷

第十一章 レインボー・ワールド

上空
兄彗星が、白い尾を引いて現れ出した。だがそれは、宏にしか目撃できなかった。

信号機
 青、フラフラしながら踊っている。もう、倒れそうだ。

 赤、バケツの水を下に流した。踊っている青に、水がかかった。ずぶ濡れになりながらも、踊っている青。

ビルの一室
 インド料理店、「インドラ」。

 インドラとは、ベーダ神話の最高神であり、仏教では帝釈天(たいしゃくてん。仏教を守護する善神。雷神・武勇神)と呼ばれる。

 レジで代金を支払う、ピエール。セット料金の1300円だ。
インドの民俗衣装を着ている、店員の博恵。

 他にお客はいない。
 ピエール、博恵に微笑みかけると、ドアを開けて出て行く。

 博恵は、軽く右手を振って笑顔で見送った。
 この2人は、知り合いか。

博恵「ありがとうございましたー」
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