恋日和~記憶を越えて~


「湧が謝ることないじゃん…
でも、忘れたくないっ…」


また涙が出てくる。

湧と見たあの日の空とか
今見てるのも忘れたくない。


「本当にごめん。
俺…本当に好きなのは千夏さんじゃなくて日和なのに」

湧の腕の力が強くなる。

「忘れたくないよ…」

湧に言って、良かった。


なんで、一番好きなのに
離れたんだろう?


…でも、そんな不器用な湧があたしは大好きだ。

「あたしも好き…」




あたしは、この日を絶対に
忘れたくなかった。
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