恋日和~記憶を越えて~
愛しい人
「野球・・・はぁっ・・・」
809室。
なんで・・・俺は
不器用で愛想なくて
大切な人に大事なことを
言葉で伝えられないんだろう?
日和はあの手紙を
読んだのかな・・・。
「日和!!」
病室のドアを開ける。
日和が1人、広い病室にいた。
「あたしのこと、知ってるの・・・?」
覚悟しておいたことだけど、
すごく悲しい。
「俺っ・・・
赤城 湧っていって・・・日和の・・・」
「あたしにとってどんな人?」
「嘘だろ・・・」
俺の中でこんなにも日和の存在が
大きくなっていたなんて。
出会った時なんて、思いもしなかった。
「ごめんね、あたし記憶なくて」
俺は、やっぱり日和を
一生幸せにできないのか・・・?