妄想少女と標的君【完】
……と女子1名。
私と2人の距離はそう遠くなく、会話が聞き取れる。
「ごめん…俺、好きな人いるから…」
マジですかっ!
それが私…てのはあり得なさすぎだけどつい期待しちゃいそうになる。
「…それでも……いいから。あたしと付き合って。」
すごい…!
めっちゃ爆弾発言だけど、そこまでして彼女になりたいほど、上田君が好きなんだな…
「無理だろ。そんなことできるわけない。」
上田君、意外とばっさりしてる…
「そ…か…。無理なお願いしようとしてごめんね。話聞いてくれて…っりがと…」
泣いてる…てかこっち来てるっ!!!
さっとドアの影に隠れた。
顔を手で隠しながら階段を駆け下りてく女子は、ずっと見てて思ってたけど…美人!
腰まで伸びた癖のない黒髪。
ぱっちりとした二重の目。
背はわたしより小さく見えてかわいらしい。
なにより…華奢。
こんな子をふっちゃうほどに好きな人がいるのか…