妄想少女と標的君【完】
それでも…なんだよ!
もぅこらえられなかった。
こんなにあっさり終わっちゃうなんて…
私はいつも、なんてあっけなく終わってしまうんだろう。
そんなことを思っていたら、涙が閉じたまぶたから溢れてきた。
放課後の誰もいない廊下を、ほとんど前を見ないで走っていたから、あまり使われていない旧校舎に迷い込んでた。
──だれもいない──
泣き顔を隠す必要がなくなった。
頬を伝った涙を拭って辺りを見渡すと、古い木造建築で、歩くとギーギーいう廊下に私はいた。
目の前には、[古書館]と書かれたドアがあった。