妄想少女と標的君【完】





昔はこの学校の国語教師をしていたそうで、よく古書館を利用していたらしい。



けれど、時代が代わるにつれ、古書を使わなくても済む授業になっていき、誰も古書を読まなくなった。



ここまでたくさんの古書があるのはうちくらいで、市や町の図書館に移すという話もあったらしい。



しかし、妖精さんはこの学校の特色として残し、生徒たちに古書の素晴らしさを知って欲しかった。



「たとえあっけなく古書が使われなくなっても、いつか必ずまた使ってくれる人が現れるから」



そう言った。



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