魔物☆に恋して~透明な誓い~
そのために、わざわざ休ませてくれようって言うのに、

肝心のあたしの状況を、忘れてやしませんか?

不満はあるものの、ゆっくりと、一人で立ち上がる。

動くたびに、痛みがあちこちに沸き起こる。

こんなので、歩き回るのなんて無理だ。

休んでていいよ。

って言ってくれただけで、ありがたい。

・・・と思わなきゃ。

体を引きずるように、小屋にたどり着く。

「コレがサラ。頼んだよ」

イニシエは中の住人にあたしを託すと、自分はさっと出て行った。

「マヤはまかせて」

その言葉がなかったら、どこかに遊びに出かけるんじゃないかと疑うような楽し
げな表情で。

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