魔物☆に恋して~透明な誓い~
「何?ここにいるヤツ、ずっと、矢を構えてるの?」

「そうだ。今はオレを狙ってやがる」

あたしは自分の頭の上を見てみる。

邪魔な影は見える気がするけど、それ以上は見えない。

「ねえ、あたしの意思とは関係なく、闇雲に矢を射ちゃうわけ?」

「サラと目が合った人間、片っ端から射てるんじゃないか。

オレは嫌だぞ」

「だって。訊いた?このヒト、あたしのこと嫌いだから、射ないでくれって」

「誰もそこまで言ってない。

サラに一方的に好かれるのならかまわないし、

オレだって、そこそこには相手してやる。

でも、矢で射られるのはごめんなんだ。

一途に思いつめさされるなんて、絶対嫌だ」
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