魔物☆に恋して~透明な誓い~
あたしの眉間にぴしっとタテジワが寄る。

それに気づいたイニシエは、貼り付けていた笑顔を、ちょっとひるませた。

「さっき、大学の構内で、サラを見つけたんだ。

ナカマ、あそこには一杯いる。仕事が一杯あるからね」

ああ。

何か、見えないけど、何かが一杯いたのは分かったな。

「仕事って?矢で射るのが?」

「そう。言うでしょう?恋のキューピッド。ボクの仕事なの」

故意のキューピッド、の間違いじゃないのか。

あたしに止まって、オージやルイカめがけて射るなんて。

悪意のキューピッドでしかないかも。
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