笑う女神
第一章
女神との出会い
高校一年一一一新学期。
俺は春の風に吹かれながら、桜が満開に咲き誇る並木道を歩いていた。
まさに今日は青春の第一歩の日。
ときどき、桜の方を振り向いては綺麗だなぁと思い、また視線を前に戻してこの美しい桜をゆっくりと堪能していた。
俺はもうずっと前から高校に通うのを楽しみにしていたんだ。
というのもこれから俺が三年間お世話になる高校は県内トップクラスの学力を誇るが、そんなに勉強にも捕われず、バイトもオッケーで規則もそんなに厳しくないんだ。
おまけに校舎も新築で綺麗だった。
だからこの高校は受験生にとっては最良な学校だったもんで、その人気は県内にとどまらず、県外からも絶大な支持を持つんだ。
そんな高校に今日から俺は通う。
今思えば、どうして俺みたいな馬鹿が合格出来たのだろうか、としみじみ思う。
春は桜満開の季節。
そしてスタートの季節。
俺は「恋しまくって、青春をきっちり謳歌するぞー」と心に刻んだ。