無糖男子のティーパーティー
「あのね、間宮くん。コレ、さっき作ったの…受け取ってもらえますか?」
目の前に差し出されたのはクッキー
本日これで4回目
これが"家庭科のクッキー"じゃなければなぁ
喜んで受けとるんだけどなぁ
「…ごめんね、受け取れない」
家庭科のクッキー=貴方が好きです
そんな意味じゃなければ美味しく頂けたのに
早く午後になんないかなぁ…
さっきから糖分のお預けキツいんですけど
「よっ、モテるねぇ。楓」
女の子が去った後現れたのは
輪田 太朗(ワダタロウ)
幼稚園からの友達で、俺が甘党なのを知ってる数少ない存在
「いつも渡される差し入れは"ブラックコーヒー"なのに、受け取れないモノに限って"甘いクッキー"って…残酷だねぇ」
「…そう思うなら、ソレくれ」
太朗の手には美味しそうなクッキーが握られている
「やだね。愛しの彼女からのクッキーだもん」
だろうね…
分かってたけどね…
でも、チラつかせるのはやめろよ
俺は今、凄く我慢してるんだからさ