自己中心的女教師
「倉田くんを心配してくれてありがとう。行って来るわね」
あたしは桜井を一人残し、バイク置き場へ向かった。
バイクに乗り、エンジンをかけ華麗に乗りこなす。
バイクが走る度、あたしの長い黒髪も揺れた。
倉田、待っていなさいよ。
あたしがアンタの為に走ってんだから。
今の倉田は教師達にとっての“身代わり”だ。
身勝手な大人達のせいで傷ついている。
誰かの犠牲になっている。
昔のあたしと一緒だ。
中学生の頃のあたしと今の倉田が、重なっている――。