自己中心的女教師
倉田の目には涙が溜まっていた。
握り締めた拳が震えている。
「あたしはアンタを悪者だと思ってないし、アンタだけ悪者にするつもりない」
「先生が俺の味方するとか、明日雪でも降りそうだな」
倉田が失笑した。
「あたしがいつアンタの味方だと言った?」
「どうゆうことだよ」
倉田の顔が険しくなる。
「どちらかと言えば、自分の為に?
今のアンタと昔のあたしが重なってくるの。
今のアンタがあの時のあたしに見えて仕方がない。」