自己中心的女教師
「……先生はさ」
倉田がうつむく。
「何よ?」
「先生がもう一度闘うって決めたのならそれでいいと思うけど、俺は、どうしたらいい?」
倉田は続ける。
「先生はもう大人だから勝ち目あるかもしれないけど、俺はなんだかんだ言いつつまだ高1のガキだから俺の意見なんか簡単に通らないと思う」
倉田はあたしを上目遣いで見る。
あたしはフンッと鼻で笑った。
「アンタまだそんなこと気にしてんの?言っとくけどこの事件の真相うちのクラスの生徒は佐藤に教えられて知ってるし、いや、もう他のクラスにも知られてるかもしれない。
真相知っている生徒全員が、特に佐藤なんか立派な証人よ?確実にあたし等?いやアンタ達生徒が勝つわね」