狼と子羊の物語
運命の歯車
「遊紗から良いぞ」
「そう。じゃあ聞くわ。
田中さんがやめたって本当?」
真実が、明かされる
「田中は、やめた」
覚悟はしていた。
でもショックがでかい。
「そう。」
今は、理由を聞ける勇気がない。
弱いな、私。
「遊紗ちゃん……」
そんな辛そうな顔をしないでよ
お母さん。私が一番辛いよ。
「遊紗、遊紗の聞きたいことはそれだけか?」
「うん」
そして次はお父さんの番だ。
「田中が辞任した代わりに新しい執事を
雇った。」
「大体は知ってたよ。」
もう田中さんは居ないんだ。
昨日まで一緒だったのにもう居ない。
実感できない。
頭ではいないって理解をしてるのに