狼と子羊の物語
縮まる距離
駄目だ、
遊紗様の照れた顔を見れなかった。
俺は臆病者。
俺は部屋に逃げた。
ーバンー
「っっ…」
何だ、こんの憎くて、独占したいと
言う気持ちは…
大丈夫、すぐ消える。
忘れられる。
このときから遊紗を好きだったんだ。
でも、初めて誰を好きになって
戸惑って、避けて、とおまわりして
泣かせてやっとー…
ートントンー
気付いたんだ。
「誰」
「ぼーくっっ♪」
「なんだ、十和。入りなよ」
「うん♪おっ邪魔しまーす!」