狼と子羊の物語




響君は、大きな声で笑っていた



「ひ、響…?」




「あぁ…ごめんごめん…

遊紗が、一生懸命な顔してて


話しかけたら焦った顔になったのが


面白くてさ


初めてこんなに笑った


口切れた…いったー…」


「え!?大丈夫?」


「大丈夫ー…」


そして、唇に目を移すと



響君の綺麗な唇から真っ赤な


血が出ていた


それを見たわたしは、体が勝手に



「ゆ、遊紗…?」



響君に近づき



「シー、だまって…?」



そして、


ーチュッー


その傷が出来ていた場所にキスをした




< 93 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop