さよならでも愛おしい

 ルームシェアなら、自分のことは自分でやらないといけない。

 「だ、大丈夫。私もう行くね」

 立ち上がった若ちゃんがカップを持って早足でキッチンに向かい、シンクにカップを置いて部屋に戻って行った。

 「…なんなんだよ…」

 しゃがみ込み頭を抱えた俺は、今更ながら不可能を予測していた。

 だって若ちゃんと二人きりなのに、もう一緒にはいられない。

 俺達は別れているから。

 恋人のように接してはダメなんだ。

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