さよならでも愛おしい

 いっこうに開く音が聞こえないので玄関を覗けば、彼女、立石 若菜(たていし わかな)24歳はドアノブを握ったまま泣いていた。

 強気で短気な男気溢れる女性の若ちゃんが泣いているなんて信じられず、俺は立ち尽くしていたが直ぐに我に返り若ちゃんに近付いた。

 「…ぁ」

 足音に気付いた若ちゃんが慌てて頬を擦る。

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