小さなあの丘で
01.出逢い



「懐かしい夢…」

君はそう言った次の日に、いなくなったね?
もう、本当にそうしちゃうんだもん…やっぱり君はかっこいい男の子だったよ。

「雪音ー!あんた、ちゃんと起きてるのー!!」
「待って、今行く!」

まだ新しい制服に腕を通して、スカートは1回だけ折って…薄く化粧をする。
お父さんの会社出勤に合わせて私はいつも学校まで送ってもらっている。
お母さんもお父さんも過保護すぎる。
家から学校までの距離は、近いとも遠いとも言えないが、歩いていけない距離ではないというのに。
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