運命みたいに恋してる。
「やってることは、間違いなくいいことだ。店の繁盛に繋がっているんだからな。潰れるより繁盛した方がいいに決まってるだろ?」


「……うん」


「ちゃんと明るい方向へ向かっているんだよ。信じて頑張れ!」


「うん」


あたしはうなづいて、ちょっと笑った。


ほらね。大地はこんなふうに、いつもあたしの心を明るくしてくれる。


あたしが弱音を吐くと、大地はいつも太陽みたいにカラッと笑うから、心がポカポカしてホッとするんだ。


「腹が減ってるからネガティブ思考に陥るんだよ。なんか食おう」


大地が通り沿いのお店でたこ焼きをひとパック買ってくれて、ふたりでバス停のベンチに並んで腰かけて食べた。


「あ、熱! はふぅ!」


「おぉ! 熱々のトロトロ!」


国道を行き交う車のライトが、夜の町を明るく照らしている。


なかなか冷めないたこ焼きを口の中で転がしながら、あたしたちの会話は弾んだ。
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