運命みたいに恋してる。
「カフェ・どりーむでぇす! よろしくお願いしまーす!」


大きな声を出して道行く人にチラシを配りまくった。


もちろんジロジロ見られて恥ずかしい。でも愛の力を信じて頑張らなきゃ!


辺りはもう薄暗いし、濃い目のメイクだし、知り合いに見られてもバレることはないだろう。


近所で地味にチラシを配るだけじゃダメよ。注目が大切なのよ。


この作戦で人を惹きつけて、一度でもお店に足を運ばせちゃえばこっちのもの。


お姉ちゃんの料理はおいしいし、柿崎さんはイケメンで人格も最高。リピーター間違いなしだ。


もちろん、こんな衣装は大地には着られない。クマさんやパンダさんの衣装なら似合いそうな気もするけれど、まず着ないだろうし。


お姉ちゃんにも絶対に無理。衣装を見ただけで熱出して吐きそう。


この作戦が可能なのはあたしだけ。あたしにしかできない、特別な仕事なんだ!


そう思うと、すごくテンションが上がった。
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