運命みたいに恋してる。
「大地。あ、あのね……」


気がつけば、まるでそうするのが当然のように、あたしは心の中のモヤモヤをぜんぶ吐き出していた。


自分のちっぽけさ。情けなさ。


鼻をすすりながら話していたから、すごく聞きにくかったろうけれど、大地は黙って聞いてくれた。


そうしてすべてを話し終わって、あたしは頬に流れた涙を拭いた。


話せば少しは気が晴れて楽になるかと思ったけれど、言葉にした分、余計に自覚してしまう。


「あたし、自分が恥ずかしい。あたしは人に親切にしながら見下して、優越感に浸るような人間なんだよ」


大地はなにも答えない。そして、あたしの言葉も止まらない。


「あたしって本当に最低。どうしようもない……」


―― ベチンッ!


いきなり大地の手のひらが、あたしのオデコに激突した。


痛さよりも衝撃が大きくて、後ろに引っくり返らないようとっさに足を踏ん張りながら、あたしは目を丸くした。


「目が覚めたか?」


キョドるあたしを見ながら、大地はニヤニヤ笑っている。
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