運命みたいに恋してる。
「お前、すっかり自分の世界に入り込んでたぞ? 自分の感情にのめり込み過ぎて、周りが見えなくなってんだよ」


そう言いながら大地はあたしの後ろに立ち、ゆっくりと背中を押した。


ブランコが揺れて、あたしの体もふわりと揺れ動く。


「そうなると人間、ろくなこと考えないからな。ネガティブ思考まっしぐらだ。精神衛生上よくねえぞ?」


「だって事実だもん。あたしが最低で嫌な女ってことは、本当のことだもん」


ボソリと答えたあたしの背中を、何度も何度も大地が押してくれた。


そのたびに、あたしの体は少しずつ、ふわりふわりと浮き上がる。


「俺が話を聞いて思ったのは、ひとつだけだ。お前が一海さんをずっと守っていたんだなってさ」


「え?」


あたしはブランコに揺れながら、背後の大地に視線を向けた。
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