運命みたいに恋してる。

なにも言わなくても気づいてくれたの？　わかってくれたの？


そしてあたしに、手を差し伸べてくれるの？　でも……。


「あたしとは絶交って……」


「絶交期間は今日で終了。苦しそうな七海ちゃんを放置できない。あたしはそんな鬼じゃないよ」


「花梨、ちゃん……」


「あー、はいはい。泣くのは後にして。ふたりでゆっくり話せる場所に移動しよう」


花梨ちゃんはあたしの手首を掴んで歩き出した。


引っ張られてヨロヨロと歩くあたしの両目に、じわっと涙が盛り上がって、視界が霞む。


泣くの、我慢しなきゃ。


この状況で泣き出したら、まるで花梨ちゃんがあたしをイジメてるみたいに、周りに思われちゃうもん。


「ねぇ、七海ちゃん。一応、言っとくから」


「な、なにを？」


軽く鼻をすすりながら聞き返すあたしに、花梨ちゃんがぶっきらぼうに答える。


「あたしはね、最後には絶対に七海ちゃんの味方だから。たとえ一時的に絶交したって、あたしと七海ちゃんの絆は永遠だからね」


「花梨、ちゃ……」


だめ。もう限界だ。


あたしはボロボロと涙を流しながら、花梨ちゃんに引っ張られて調理室を出た。