運命みたいに恋してる。
なんでふたりがケンカしてるの!? 


しかもあのお姉ちゃんが怒鳴るなんて、ただごとじゃない!


急いで玄関を開けたとたんに、ふたりの声がはっきり聞こえてきた。


「どうしてわかってくれないの!? お母さん!」


「わかってるから言ってるの!」


やっぱりケンカの真っ最中だ!


原因はわかんないけど、非常事態勃発中!


あたしと花梨ちゃんは靴を吹っ飛ばす勢いで脱いで、一緒に廊下を走って現場に急いだ。


突き当りのリビングのドアが全開になっていて、そこに立ったふたりが向かい合って叫んでいる。


あたしはビックリしながら、その険悪な光景を眺めていた。


だって、あのお姉ちゃんが顔を真っ赤にして、お母さんに怒鳴り散らしてるなんて。


こんなお姉ちゃんは見たことも聞いたこともない!


「ちょっと、なにやってんの!? ふたりとも!」


あたしも無我夢中で怒鳴り合いに参加した。


なにがあったのかは知らないけど、とにかく落ち着かせないと!
< 182 / 267 >

この作品をシェア

pagetop