運命みたいに恋してる。
「あら。さっきご自分で、同じことを息子さんにおっしゃっていたじゃありませんか」


「拓海に男としての価値がないという意味ではありません!」


息子を貶されたおじさんは、完全に頭に血がのぼっている。


再び親同士のバトルが再燃してして、事態は悪化する一方だ。


「こう言ってはなんですが、おたくの娘さんだってまともな身体じゃないでしょう!?」


「な、なんですってぇ!?」


お姉ちゃんが、まともな身体じゃない?


……なにそれ。


「と、父さん! 一海になんてことを言うんだよ!」


血相変えて抗議する息子に、おじさんはビシッと言い返す。


「大事なことだ。母親に病気で寝込まれたらどんなに大変か、お前が一番よく知っているだろう? まして死なれたら、どれだけ大変な思いをすることか」


柿崎さんは言葉に詰まり、唇を噛みしめた。


おじさんが言った言葉の意味を、身に染みて実感しているからだろう。
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