運命みたいに恋してる。
ふん! オヤジの怒りなんかぜんぜん怖くないよ!


目の前で大事な姉を欠陥品呼ばわりされて、黙っていられるか!


あたしは大きく息を吸い、にっくきオヤジに向かって腹の底から怒鳴りつけた。


「あんたなんか、なんにも知らないくせに!」


お姉ちゃんがどんなに頑張って生きてきたか!


どんなにあたしとお母さんを支えてくれたか!


苦しくても悲しくても、お姉ちゃんはいつも微笑んでいた。


じっと堪えて、笑顔を絶やさず、逆にあたしたちを励ましてくれた。


ああ、そうだよ。確かにお姉ちゃんは『普通』じゃない。


あたしのお姉ちゃんは……。


「お姉ちゃんは、優しくて強くて、健気で美人で、最高のお姉ちゃんなんだ!」
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