運命みたいに恋してる。
そうなんだよ。お姉ちゃんの体が一番心配なんだ。なにかあってからじゃ遅い。


もしかしたら、もうすでに体調を崩しているのかも。


今ふたりがどんな状況なのか、どこに居るのかもわからなくて、不安で不安でたまらない。


それに、何日かして無事に戻って来たとしても、これで親の信用はガタ落ちだろう。


駆け落ちなんてしなきゃ、まだ望みはあったのに。


「とにかく今は、連絡がくるのを待つしかないな」


「そうね。それか、明日にも泣きながら帰って来るのをね」


妙に冷たい口調の花梨ちゃんに、大地が恐る恐る聞いた。


「お前、なんか怒ってねえか?」


「もちろん怒ってる。心配させる一海さんにも、考えなしに一海さんを連れ出した、あんたのお兄さんにもね」


あたしも花梨ちゃんに同感だ。


あたしのせいって引け目もあるけど、すごく心配してるし、すごく怒っている。


お姉ちゃん、どうか無事でいて。


そして元気に帰ってきて欲しい。


あたしはお姉ちゃんの味方だよ。応援するから一緒に考えようよ。


お姉ちゃんはひとりじゃないから、だからお願い。


どうか無事でいて……。


あたしは心の中で、何度も何度もそう祈り続けた。


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