運命みたいに恋してる。
そして衝撃の駆け落ち事件から、もう五日が過ぎた。
結局、お姉ちゃん達は帰って来るでもなく、連絡もない。
お母さんはいつも肩を落としてぼんやりしていて、めっきり食欲も落ちてしまった。
あたしもぜんぜん食欲がない。だってご飯を見るとお姉ちゃんを連想しちゃうから。
お姉ちゃんの手作りじゃない料理なんて、味気なくて、とてもノドを通らない。
今日も学校帰りに大地とふたりでカフェに寄り、淡い期待とともに玄関を開けて、無人の店内にガッカリした。
大地と向かい合って席に座り、お互いの顔を見ながらため息をつく。
「大地、どこかふたりが行きそうな場所に心当たりない? 柿崎さんの思い出の場所とかないの?」
「男兄弟って、あんまりそういう話はしないんだよ。七海こそどうなんだ? 仲良し姉妹なんだろ?」
「お姉ちゃんの大切な場所なんて、それこそカフェしか思い当たらない。それに仮に思い当たっても、あんまり意味ないかも」
「なんでだよ?」
「お姉ちゃんて、北海道に向かっているつもりで沖縄に突き進むような人だから」
「……あぁ。無自覚な方向オンチな」