運命みたいに恋してる。
お姉ちゃん、ちゃんとご飯食べてるかな? 熱出してないかな?


吐いたりしてないかな? 水分補給してるかな?


お姉ちゃんの飲めるイオン飲料水って、種類が決まってるんだ。


柿崎さん、それ知ってるかな? ちゃんと買ってこれるかな?


とめどなく心配事が湧き上がって、気持ちが沈んで悲しくなって、泣きそうになった。


それを察した大地が、優しく頭をなでて慰めてくれる。


ありがとう、大地。でも、もう五日も音信不通だし、そろそろ限界かも……。


――バターン!


突然、玄関の扉が開いて、あたしは勢いよく振り返った。


「お姉ちゃん!?」


でもそこにいたのは、息を切らして駆け込んできた花梨ちゃんだった。


「……なんだ。花梨ちゃんか」


「なんだ。お前か」


「ちょっと! ふたり揃って失礼ね!」


ハァハァ荒い息を吐きながら、花梨ちゃんが怒鳴った。


「せっかく一海さんからの手紙を持ってきてやったのに!」


ガックリしていたあたしの心は、その言葉で一気に急上昇した。


「手紙!? お姉ちゃんからの手紙!?」


「そうなの。家に帰ったら、あたし宛に届いてて、もうビックリ! 一海さん、さすがに自宅に書くのは気が引けたのね」


もう、お姉ちゃんったら! そんな心配も気遣いも無用なのに!
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