運命みたいに恋してる。
「手紙はどこ!?」


「ここよ。ほら」


花梨ちゃんが差し出した手紙を引ったくるように受け取ると、大地も頭をぶつけそうな勢いで覗き込んでくる。


三人で頭を突き合わせて読んだ手紙の内容は……。




花梨ちゃんへ


突然のお手紙、驚いたでしょう?


自宅の方は、きっと大騒ぎになっているでしょうね。


花梨ちゃんにも、大変な心配とご迷惑をかけているだろうと思います。


本当にごめんなさい。


私は今、拓海と一緒に生活しています。


体調の方も、今のところなんの問題もありません。


周囲の人たちも親切で、新参者の私たちに、とても優しくしてくださいます。


わたしは、とても幸せです。


だからどうか心配しないで。


母と七海に、そう伝えてくれませんか?


花梨ちゃんの親切心に、どうか甘えさせて下さい。


拓海のお父さんと大地君にも、重ね重ねご迷惑をお詫びしますと、伝えてください。


我がままは承知のうえで、どうかお願いします。


どうか、そっとしておいてください。


どうかお願いします。


お願いします。




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