運命みたいに恋してる。
お、お姉ちゃんたら、住所が印刷されてる封筒使ったら、隠れてる意味ないでしょ!


セットの便箋と封筒だから、たぶん無意識に使っちゃったんだろうな。我が姉ながら恥ずかしい!


「一海さんの抜けっぷりに助けられたわね」


「一海さんらしいな! どうやら本当に元気そうだ」


大地と花梨ちゃんがケラケラと笑う。


まあ、たしかにこれで有力な手掛かりが掴めたしね。


「兄貴と一海さん、この民宿に泊まっているか、働いているんだろうな」


「え? 働いてる? お姉ちゃんが?」


「ああ。民宿の住み込みで働くなら、泊まる場所の確保にもなるし、同時に金も稼げる」


そうか。お姉ちゃんが働いているってのが、どうにもピンとこないけれど、言われてみればたしかにここで働いてる可能性が高い。


「よーし! さっそく明日、現場に突撃しようよ!」


「明日って、学校はどうするんだ?」


「当然、ズル休むよ」


とてもノンビリ週末まで待っていられないよ。


すぐに行って、お姉ちゃんたちの元気な姿を確認したい。


「行くのはいいにしても、親父たちはどうする? このことを話すか?」


「あ~。それは……」
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