運命みたいに恋してる。
悩みどころだよなぁ。


教えたら、またまた事態が悪化しそうな気がする。


せっかく沈静化してる親たちの頭が、再び沸騰する予感しかない。


それに親たちを連れて行ったら、お姉ちゃんたちが意固地になりそうだし、最悪また逃げられるかも。


「ここはまず、親には内緒であたしたち三人だけで行く方がよくない?」


「七海ちゃん。あたし、遠慮するよ」


花梨ちゃんが片手を上げて言った言葉に、ちょっと驚いた。


「花梨ちゃん、一緒に来てくれないの?」


「本音を言えば、行きたいよ。でもここはやっぱり他人は遠慮すべきでしょ。家族の深刻な話し合いの場だからね」


「……そっか。ありがとうね」


花梨ちゃんのこういう気遣いってエライと思う。


花梨ちゃんは桜井家にとって身内同然だけど、礼儀正しいその線引きは、長く付き合うために大切なものなのかもしれない。


「でもあんたたち、一緒に行って大丈夫?」


「え? 大丈夫ってなにが?」


聞き返したあたしは、ハッと気付いて顔を赤らめた。


や、やだもう花梨ちゃんたら、なに想像してんの!?


いくら二人っきりって言っても日帰りだし、そんな心配は無用だってば!


「あんたたち、付き合ってるんじゃないかって疑惑を持たれてるんでしょ? それなのに同時に学校休んだりして大丈夫なの」


「へ? あ、ああ。それね?」
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