運命みたいに恋してる。
えぇ!? それは誤解だって、あんなに大地が力説したのに!


本当に交際なんかしてないんだってば!


まだそこは、あたし個人の願望止まりなの!


『その話を聞いた親たちの頭の中で、男女交際+消息不明=また駆け落ち……って図式が成立しちゃったの』


「駆……」


お、お母さん。それ、速攻すぎる。


そりゃあ、お姉ちゃんのこともあったから、混乱する気持ちもわかるけど。


でもそれじゃあ、なに?


「男女交際厳禁の学校で、あたしと大地は、駆け落ちカップルって烙印押されちゃったの……?」


あたしはもう、最悪な展開に唖然とするばかり。


停学とか退学とかのパワーワードが頭の中をグルグルして、手に持ってるスマホを落っことさないようにするので精一杯だ。


大地も片手で顔を覆い、萎れた様子で首を振っている。


『もう完全にヒスを起こした親たちが、今度こそ警察に届け出るって騒ぎ出したの』


「警察ぅ!?」


ど、どうしよう! 国家権力があたしたちを探してるの!?


ヘタすりゃパトカーで連行されちゃうよ。いっそ今すぐ自首して、事情を説明した方がいいかな?


『だから、そうなる前にあたしがぜんぶ、事情を説明したのよ』


「へ? ……それってバレたんじゃなくて、花梨ちゃんがバラしたんじゃん!」


『そもそもバレるきっかけを作ったのは、誰!?』


「わ、わたしどもでございます……」
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